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ほたるが以前住んでいたアパート
ほたるが辰伶と一緒に住むことが決まって、ほたるがこのアパートを完全に引き払ってからは、辰伶は1度も訪れたことはなかった。無論、辰伶には全く用の無い場所だったからだ。しかし、ほたるの引越しが完了する以前に、ほたるが風邪をひいて寝込んでしまった為に、辰伶はここへ何度かほたるの着替えや日用品などを取りに来たので、場所はしっかり覚えていた。
以前ほたるが住んでいた部屋には、既に別人が入居しているようだ。アパートの前に来てみたのは良いが、そこにほたるの姿は無く、辰伶は途方に暮れた。
「ほたるが指定したのはここでは無かったのか?」
さて、どうしたものか。辰伶はアパートを睨みつけるようにして考え込んだ。そこへ背後から怒声が響いた。
「コラッ!明るいうちから、ドロボーの下見かっ!」
「ち、違います!」
驚いて振り返ると、それは知らない人物では無かった。
「うちには盗るモンなんてねーぞ」
辰伶を怒鳴った人物は…
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