〔ゆんゆん倶楽部とは〕
心霊現象などのオカルトな事件を解決をしてくれるという噂だが、そんなクラブは存在していない。少なくとも、その構成員と目されている人物たちは誰一人としてそんな会を結成した覚えはない。中心人物である遊庵を、他の構成員たちが「ゆんゆん」と呼んでいたため、いつの間にか「ゆんゆん倶楽部」と周知されていた。
活動主旨も会則も何も無い。
〔ゆんゆん倶楽部メンバー紹介〕
・遊庵
大家族の次男。建築科の大学生
きちんと修業を積んだ一流の霊能者。心霊現象や呪術に関する知識が豊富だが、敬虔さや慎重さに欠ける。冒険好きで無謀で軽挙妄動。考えるより行動。
倶楽部の名称の元となった人物だが、本人は不本意。
・ほたる
高校生。家族は母親のみ。遊庵とは師弟関係だが感覚的には冒険仲間。霊感が強く高い霊力を持っているが、修業も訓練も何もしていないので使いこなしていない。
もう1つ名前があるが、無暗に口にすることも書くことも母親から禁じられている。
・『おだんご』(子辰伶)
ほたるの識神。
霊力は余り高くないが、日常生活においてほぼ万能なのでとても便利。『おさげ』を除く辰伶の識神を使役することができる。独自の妖怪ネットワークがあるらしく、妖魔、幽霊、異界に関する様々な情報(噂話)を持っている。素直で扱いやすい識神。ほたるを非常に慕っている。
・辰伶
ほたるの異母兄。無明歳刑流本家の当主だが、分家は絶え、ほたる以外の血縁者は全て亡くなっている。幾つかの呪法や呪術が家に伝わっており、それらを駆使して水龍という桁外れに強い妖魔を使役する。屋敷の管理に識神を使役することで日々無駄に霊力を使っているので余力がほぼ無い。霊に憑かれやすい体質。極端に世間に疎い。
・『おさげ(』子ほたる)
辰伶の識神。霊力は極めて高いが気難しい性格で扱いにくい。実は遊庵を尊敬している。水龍を使役することができる。辰伶が大好き。
以上の5人のうち、遊庵、ほたる、『おだんご』の3人で活動していることが多い。そもそも会則も何もないので正式なメンバーというのもないのだが。
〔霊感と霊力と霊能力と霊的抵抗力〕
霊感は霊的なモノを視たり聞いたり感じる力。先天的だが訓練次第で鋭敏に研ぎ澄ますこともできるし、抑制することもできるようになる。成長と共に鈍ることもある。
霊力は霊的エネルギー。生まれ持った力で努力や訓練で増減しない。潜在能力として発揮されない場合もある。
霊能力は霊感と霊力を操る能力。修業を積むことで高められる。
霊的抵抗力は霊的エネルギーによる攻撃に対する精神および肉体の防御力。修業を積むことで高められるが、稀に弱まることもある。
・霊感の強い順
水龍>>>『おさげ』>『おだんご』>>辰伶>遊庵>ほたる
・霊力の強い順
水龍>>>遊庵>『おさげ』>>ほたる>辰伶>>『おだんご』
・霊的抵抗力の高い順
水龍>>>ほたる>>遊庵>『おさげ』>『おだんご』>>>辰伶
・総合的な強さ
水龍>>>遊庵>『おさげ』>>ほたる>辰伶>『おだんご』
水龍は特殊な存在なので桁外れに強い。凡そ人類が倒せるモノではない。倒せるのであれば、水龍になる前の妖魔の段階で遊庵が倒している。
霊能力が高くバランスが良いのは遊庵。まともに戦えば普通に強い。知識も豊富で霊的事件の解決能力が非常に高く頼りになるのだが、言動が迂闊。
『おさげ』自身も非常に強いが、その上、限定的だが水龍を使役できるという反則的な強さを持つ。並みの霊能力者では歯が立たないが、遊庵クラスの霊能力者になると識神を構成している術を解呪できてしまうので、識神である以上絶対に勝てない。
ほたるは抵抗力が高いので戦いようによっては『おさげ』や遊庵にも勝てる可能性がある。
辰伶は無明歳刑流長子たちの霊と同調して以来、霊感が鋭敏になるともに抵抗力がほぼゼロになってしまった。
『おさげ』は『おだんご』よりも遥かに強いが、識神として有能なのは『おだんご』。能力の高さの割には霊的エネルギー消耗率が低くコスパ最強。強さでは劣るが格は『おだんご』の方が上。なお、識神の格がどのように決まるのかは不明。
補足として、純粋に個々の力を見ると辰伶が不利だが、水龍と『おさげ』を使役できる彼が最強といえなくもない。
最下位の『おだんご』だが、このメンバーの中でのことで、十分に高い能力を持ち決してか弱くはない。人外に知り合いが多く、そのコミュニケーション能力で『おさげ』や水龍さえも手懐けつつある。
熒惑バージョンのほたるの能力は秘匿されているので未知数。
〔『おだんご』と『おさげ』と水龍のその後〕
『おだんご』は異界ルートの探索を続けるうちに富士山中に『壬生の郷』という隠れ里を発見します。壬生の郷の一族は戦闘に際立って優れているので、ここなら水龍の強さは危険視されないと『おだんご』は考えました。
『おさげ』は辰伶と水龍の契約を解除させ、水龍の鱗の1枚に戻ります。水龍と一体化した『おさげ』を連れて『おだんご』は壬生の郷へ旅立ちます。壬生の郷で『おだんご』と水龍(『おさげ』)は一体の戦闘人形に宿り、やがてその水龍の力を宿す家系に『おだんご』と『おさげ』の主人たちにそっくりな異母兄弟が誕生するのです。