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帰宅

 

 家に帰ると、そこにほたるが居た。玄関で辰伶を迎えたほたるは、辰伶の様子を眺めて言った。

「ねえ、ケーキは?」
「は?」

 ほたるは深く溜息をついた。

「…使えない」
「何なんだ。貴様は」
「もういいよ。邪魔だからどいて」
「邪魔?」
「すみませーん。通して頂いて宜しいですか?」

 辰伶の後ろに荷物を抱えた男が立っていた。服装からしてどこかの店の店員らしい。

「あ、こっちに運んで」
「かしこまりました」

 唖然としている辰伶を横目に、ほたるの指示でどんどん作業は進められていく。どうやらパーティセットのケータリングサービスらしい。あっという間にリビングはパーティ会場となった。

「クリスマス。するよね」
「あ、ああ…」
「ケーキ無いの、辰伶の所為だからね」
「…ああ、すまん」

 よく解からないが、とりあえず辰伶は謝っておいた。来年のクリスマスは何とかしなければと思いながら。


おわり

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